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ベルマーク。

それは多くの人にとって
ノスタルジーに浸ることができる言葉。

 

子供の頃、商品のパッケージの
前後左右表裏を眺めて、ハサミで切り取る。

溜めたものを黒板にぶら下げられた
集計袋にザザザーと入れ込む。

細かい紙片がたっぷり溜まると
謎の達成感もありつつ、
実はベルマークがその後どのようなことになって、
体育館のオルガンに変わるのかは不明。

まあ、でも「溜める」って行為は
子供にとって楽しいし、
もとより悪いことではないはずだから、
その後の処理がどうなろうが
はっきり言ってどうでもいい。

いつも買うガムの裏には
確か「0.8点」があるはずだから、
また今度も取っておこう♪

 

って感じが私のベルマークの思い出と印象。

当時、子供だった私にとっては、
まあそんなところでした。

んが。

現代。

このITCの時代に
ベルマークはいまだに脈々と
生き続けているわけです。

決して過去の遺物なんかじゃ
断じてありません。

あの鼻くそのような細かい紙切れは
いまだに学校生活の中に厳然と存在します。

 

で、大人=PTAにとっては
そのベルマークの集計作業があるわけで。

これがかなり面倒くさい。

それを知ったのは
先日PTA活動に参加した時のことでした。

 

私、その日は体調がかなり悪く、
かつ家では赤ちゃんや妻の産後の肥立ちのために
やることが結構あったわけです。

しかし。

どんなに体調が悪くとも、
家の事情があろうとも、
一度「行きます」と言った手前、
日曜日の午後にいそいそと学校に向かう私はザ・日本人。

 

ということで、
休日の校舎は目的の教室に行くまでに、
あっちを昇ったりこっちを降りたりさせられながら、
どうにか到着。

その日の担当はお母さん2名と私。

テーブルの上には本日の作業対象となるベルマークが
小山をつくって待っていました。

 

と。

ここでベルマーク作業手順を解説です。
(その日、幹事のお母さんから教わったものですが、
たぶん全国的にこんな感じのフローになるはず)

  1. 企業ごとに割り振られているベルマーク番号で仕分け
    →現在協賛会社は60社弱あります。
  2. 同じ点数ごとに仕分け
    →同じ企業の中でも商品によって点数が違う。
    その日は0.8~10数点くらいまでありました。
  3. 同じ点数を5枚一つづりにセロテープに貼付
    →5枚一組のセロテープが大量に出ます。
  4. 5枚に満たないものは以前の余りのベルマーク袋から端数を探して5枚化
    →これがメチャクチャに入っている袋から探すので、至難の業
  5. それでも5枚に満たないものは余りベルマーク袋行き
    →何も考えずに放り込めるので楽

で、5枚つづりのものは
年度末のさらなる集計に向けて
保管されることになります。

 

……字面にすると、
あんまり大変さが伝わりませんが、
ベルマークが曲者なのは
素材、サイズ、ベルマーク番号、点数が
バラバラという点。

素材は厚紙からセロハンまで、
クルッと丸まってしまうセロハンのような素材だったり、
紙パックジュースの折り目のところだったり
(ペタペタして最悪)。

サイズは2×2cmの大きなものから、
8×5mmくらいの極小サイズまであり
(冗談かと思いました)、
老眼の保護者の方は
もはや番号も点数も判読不能でしょう。

しかもベルマークの協賛企業は
撤退や参入があるので、
もう廃番になっているベルマークが
後生大事に保管されていたりして、
軽く混乱モード……。

 

そして、咳やくしゃみ、
鼻息はご法度(まとめたベルマークが吹っ飛ぶので)。

息を潜め、ハサミとセロテープを駆使して、
「いったい日曜の午後に何をしとるんだ?」
という疑問を感じつつ、
1.5時間の労働に勤しみました。

 

しかも追い打ちをかけてくるのが、
このベルマークの点数。

単純に1点=1円換算なので……。

赤ちゃんの爪サイズで
0.8点のベルマークに
格闘してしまった後に、
「今俺は80銭のために労働したんだ……」
と脱力感満載なわけです。

 

 

以上、ベルマーク集計のレポートなわけですが……。

……。

……。

このベルマーク、いい加減やめません?

 

いや、でも、まあ、いいことですよ!
ホントにいいこと。

子供たちの学校の設備や教材を買えますし、
購入金額から1割が
自動的に寄付金になって
僻地学校や特別支援学校に
寄付されるものでしょうし。

子供たちには自分たちの学校運営に参画させたり、
寄付の意識を持たせたりできるものでしょうし。

作業中にPTAの保護者の間で
交流や意見交換もできるでしょうし。

ホントいいこと……。

 

でもですね。

時代がついて行ってますかね?

費用対効果はありますかね?

てか
学校(自分の小学校も僻地の学校も特別支援学校も)運営って
本来は公費で賄われるものじゃないっすかね?
だから税金払ってんじゃね?

しかも、核家族化と共働き世帯の数は
ベルマーク活動が発足した当時(1960年代)と
全然違うわけですよね。

で、保護者になぜか強制力を発動できてしまう
PTAの主要活動として位置づけられたら、
様々な家庭環境にある保護者にとっては
負担以外の何ものでもないわけです。

介護だって、保育だって、妊娠・出産だって、
自分の怪我や病気だって、
シングルマザー・ファザーだって、
いろいろあるはずなのに、
必須参加の活動にされちゃった日には、
ベルマークに対する意識は「いいこと」なんかじゃなくて
「怨嗟」にすら、なろうってものです。
(そして5mm角の紙片を作業して
80銭とか言われたら泣きます)

 

 

「善意の活動」という錦の御旗。

「PTA」という改革の馴染まない組織の主要活動の一つ。

「案外この活動が好きな保護者」もいるという点。

この3点から、私の子供の頃から
ベルマーク活動は数十年続いていると思われます。

ですが、前述のとおり家庭環境は多様化しています。

なので、
ここは一つ「PTA」の見直しの初手として、
「ベルマーク」についての見直しを
検討してもいいのではないだろうか
と思った日曜の午後でした。

……。

……。

「やめる」って決断は営利企業なら簡単だけど、
ボランティアベースだと
コスト意識も薄くなって、
逆に非常に難しい決断になってしまうんでしょうが……。

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