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かつてシニア向けのセミナーや講座を企画・運営する仕事に就いていた関係で、年間数千人規模でシニア層の方、グループの方とご一緒させていただく機会がありました。

私が頻繁に教室や実地研修先に顔を出すので名前も顔も憶えていただき、公私ともに大変可愛がっていただいたのですが、明らかにお仲間内や私たちスタッフから人気のある方がいらっしゃる一方で、残念ながらそのどちらからも人気のない方もいらっしゃいました。

ということで、その時の経験から好かれるシニアの方(とそうでもない方)の傾向をご紹介したいと思います。

当時私は30歳前後でシニア層の方の平均は60代半ばくらい(か、それ以上)でした。

その30歳以上の年の差があった若輩の勝手な傾向分析となります。

【好かれるシニアの方】

実は水戸黄門な方

水戸黄門は越後のちりめん問屋として、前(さき)の副将軍の素性を隠して諸国を漫遊していたわけですが、私が出会ったシニアの方の中にもこういった方がいらっしゃいました。

つまり退職前の役職や肩書、仕事内容なんかを一切言わず、たまたま何かに非常にお詳しいのでよくよくお伺いすると、かなりの活躍をされていた、なんてことがありました。

ここで誤解していただきたくないのは、例えば役職が社長や会長や理事長だったとか、実は大金持ちだったとか、そういったことが重要なのではなく、今の生活が過去の何かに引っ張られていない、ということです。

お仲間からも若輩たちからも好かれるシニアの方は、過去は過去、今は今というように割り切りがうまい方だと思いました。

……ただ、この水戸黄門タイプの方で困っちゃうのが、いろいろと質問されてきて私がいい気になって答えていたら実はその道のプロの方だった、という場合。ご本人にしてみれば、ちょっとしたいたずら心なのかもしれませんが、やられる方はたまったもんではないです。

私は何度か穴があったらダイビングしたい気になりました(というか、そもそもしゃべり過ぎだということでしょうか)。

ケチじゃない方

まあ、これは老いも若きも好かれるため(というか嫌われないため)に重要なポイントだと思うのですが、問題なのはシニアの方のケチのほうが若い人のケチよりも目立つし、品が悪く見えてしまう、ということです。

立食パーティーで懇親そっちのけで皿に料理を山盛りとか、試食試飲が何より大好きとか、無料体験に何度も通おうとするとか、まあ若ければどこか可愛げもあるのですが、ある一定の年齢の方がこれをしているのを見ると、何だか見てはいけないものを見たような気になってしまいます。

まあ、試食も無料体験もやること自体まったく悪いことではないはずですが、つまりは度を超えないようにするということが重要ということでしょうか。

「末は博士」だった方

末は博士か大臣か。ということで、現役引退後に本当に博士並みの知識を得てしまった方もたまにいらっしゃいました。

講師と話しをしていると、一つのクラスに何人かはそういった方がいらっしゃるとのことで、そういったクラスで登壇するのは非常に緊張するとのこと。

現役の大学生の数倍の勉強熱心さと鋭い質問で講師をタジタジにさせる人、結構格好良かったです。

そういった方は男女問わずいらっしゃり、非常に控えめな方が多く、研究熱心なまさに博士と言うタイプの方でした。

それから余談ですが、クラスで目立つ方(リーダー型の方)はそういったタイプの方はあまりいらっしゃらなかったような気がします。場をまとめるなら○○さん、勉強のことを聞くなら△△さんというようにいい感じで役割分担ができていました。

テクノロジーアレルギーがない方

クラスで特に女性から人気が高いのがこのタイプの方です。

当時でしたらPDAや携帯、パソコンに詳しかったり、今でしたら「○○さん、スマホのアプリのこと、教えてよ」なんて言われたりするタイプの方でしょうか。

そういった方の周りには授業開始前と後に女性がたむろして、新しいことを教えてもらっていました。

で、それを遠くから眺めて「おれはああいった今時はわからん」という方もいらっしゃり……。どちらがいい感じだったのかな?

弱点暴露型の方

これは非常に可愛げのある方に多いタイプです(若輩が言うのも失礼な話しですが)。

ご自分の苦手なことを笑いながらネタにしちゃう感じです。でも決して後ろ向きな感じがしない。

そういった方が数か月後にうれしそうに「フク山さん、○○ができるようになったの!」なんてご報告をしていただくこともあり、こっちもなんだか嬉しくなったのを憶えています。

一方でプライドが非常に高い方もいらっしゃり、あまり教室でも楽しそうではなかったように見受けました。

やっぱりいろいろ長続きするのは弱点をご自身で把握して暴露して、トライ&エラーで明るく頑張る方だったように思います。

ご苦労を経験された方

こういったタイプの方も非常に控えめな方が多かったように記憶しています。

授業の終わった教室や帰りがけの道で二人きりで出会った時に、「実は」と教えていただくことが多かったです。

子育てであったり、介護であったり、夫婦関係であったり、家族関係であったり、そういったご苦労を類型化することなんてできないほど多種多様なのですが、そういった方は少しの蔭と少しの明るさで昔と今のことを語られるのがとても印象的でした。

正直どう返していいのか分からないほどのご経験もお伺いしたりしたのですが、そういった方が翌週クラスの中で明るくお仲間と話されているのを見て、なぜかとてもうれしい気になりました。

明るさの裏にとても深い経験がある、どなたにとってもそうなのかもしれませんが、その経験を知った立場としては、教室に行くたびについその方を眼で探していたように思います。

笑顔がいい方

で、結局まとめると笑顔がいい方に勝るものなしと言えます。

いつお会いしても明るく朗らかな方は当然素敵なのですが、いつもはむっつり押し黙っている方のたまに見せる笑顔もそれはそれでとても希少性の高い魅力です。

仲間内からもスタッフからも人気があるのはやっぱり笑顔のある方に尽きました。

【番外:決定的に好かれないシニアの方】

女性蔑視の方

「あれは女だからできることだ」とか「男にはできないよ」などと平気に言う方が結構いらっしゃいました。で、その方の周りには当然ながら女性の方は集まりません。たぶんそういった雰囲気は簡単に周りの人には分かるんだと思います。

そういった方は、常に「男性・女性」で「できること・できないこと」を分けようとする考え方の傾向があったように思います。

そして……、なんて言いつつ、いざ女性の前では鼻の下を伸ばしたりなんかして、なんだか微妙な感じでした(ま、分からなくもないんですが、あまり格好良くはないですよね)。

グループをつくる方

グループがつくられている、それに入れない、リーダーが鬱陶しい、グループから外された、なんて言うことは何度も何度も何度も何度も聞きました。

グループ同士の抗争が勃発して、数か月後に改めて聞いたらあるグループのリーダーは没落していて、そうこうしている内に仲の良かったある方とある方が冷戦状態になっている、なんてことも同様に何度も聞きました(実際、訴えられても私はどっちにも肩入れなんてできないんですが……)。

まあ、私はグループをつくってしまうのは致し方のないことだとは思っていますが、少なくとも余所様が迷惑に思ったり嫌がったりするグループというのはいかがなものでしょうか。

折角、組織から解放されてフラットに人とのコミュニケーションを楽しめる時期と環境とタイミングなのに……、非常にもったいないシニアライフのような気がします。

最後に

ということで、若輩から見た好かれるシニアの方(とそうでない方)の傾向でした。

今、実際に書いてみて思ったことはたいていのことは年齢・性別に関係なくどの世代でも当てはまるなあ、ということ(ってそんなことを言うと身も蓋もないですが)。

とはいえ、シニアの方のいい雰囲気も悪い雰囲気も、若輩のそれと比べると非常に際立って見えていたように思います(言葉は悪いですが、アクが強いという感じです)。

やっぱり一挙手一投足が経験に裏打ちされている分、強く出てくるのでしょうか?

 

と言いつつ、私はその強めのアクの結構なマニアだったのかもしれません。

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