子育てでよく子供の話を「聞くこと」が重要と言われていますが、私は子供がある一定の年齢に達したら聞くだけでは足りないのではないかと思っています。
子育て中の親の「聞くこと」はだいたいこんな感じのパターンが多いと思います。
「そうなんだ!」
「すごいね」
「面白かったね」
「痛かったね」
という感じです。
子供の心情に合わせて受け答えしてあげるのはとてもいいことだと思うのですが、どうも一方通行な感じで物足りません。
つまり、「子供→親」という形になっているだけで、「子供⇔親」というコミュニケーションの形になっていないように思えるのです。
私が最近子供たちと会話していて気付いたのは、子供たちからの話題に私が質問で反応すると彼らの表情が変わってくるということです。
子供たちが背伸びしてでも大人っぽい仕草と表情で一生懸命私に伝えようとする時、親が「聞く」だけでは得られないものがあるように感じます。
私はよく子供たちに、
「え!?なんで?」とか、
「え!?マジで?」とか、
「それってよく分からないんだけど(どういうこと)?」
というような質問をします(お世辞にも品のいい言葉づかいではありませんが……)。
そんな受け答えの後に子供たちの表情には変化が現れ、ちょっと大袈裟かもしれませんが、子供たちの眼が能動的に輝くような感じがするのです。
この親の質問力は、親子関係を主と従の関係ではなく、お互い独立した関係にしてくれるものだと思います。
冒頭の「面白かったね~」の関係は、乳児やそれに準ずる時期だったら当然必要だと思いますが、一定の年齢に達したらそれにプラスして「親の質問力」を基にした一対一の個の関係を築くべきなのではないでしょうか。
一般的に言って、相手や相手の話題に興味・好奇心・共感がなければ、質問はできないと思います。
それは親子関係でも同じことが言えるわけで、親が子供に興味や好奇心を持って質問するだけで、子供の自主性を尊重してあげるコミュニケーションになるのだと思います。
【補足】ただ、子供が思春期の頃の親の質問は注意が必要だと思います。子供が詮索だと感じるような質問はNGかなと。私自身が思春期の頃、親から詮索されるのが無茶苦茶に嫌でしたから……。