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いきなりクイズです。以下の折れ線グラフは一体何を表しているでしょうか?

クリスマスとハロウィン

青色のグラフは2010年が底で、赤色のグラフは年々増加しています。

正解は日本において「クリスマス(青色のグラフ)」と「ハロウィン(赤色のグラフ)」のキーワードがGoogle検索されているボリュームを時系列で表現したものになります。

すごくざっくりとした分析になりますが、2010年に「クリスマス」の検索ボリュームが最も少なくなっているのは、ひょっとしたらリーマンショック(2008)以降の景気の失速が原因になっているかもしれません。一方、検索ボリュームの年々の増加から「ハロウィン」が日本にも浸透しつつあるということが見て取れます。
そして、「クリスマス」と「ハロウィン」の検索ボリュームの差が、相対的に日本における二つのキーワードの浸透度の差として見ることができます。

さて、このようなデータを簡単に入手できるのが、Googleの「Googleトレンド」というサービスです。
Googleトレンド(Googleサイトへ)

任意の国、期間などを指定して、調べたい検索キーワードを入力すると、Googleで検索されたそのキーワードの傾向を抽出することができます。
複数のキーワードを指定することができますので、上記の「クリスマス」と「ハロウィン」のような比較も可能になります。

と、このような例をご覧いただいた後に、今回ご紹介したいのは「生前整理」という言葉がどのような形で検索されているのか、といったことです。
前回のブログ記事「『生前整理』という言葉の違和感」で「生前整理」という言葉がある程度の“市民権”を得始めている、といったことを書きましたが、その“市民権”の実態をGoogleトレンドで炙り出したいと思います。

最初にご覧いただきたいのは、「生前整理」というキーワード単体での検索ボリュームを調べた以下のグラフです。

生前整理のみ

近年注目を浴び始めた言葉であることがわかります。

……傾向が読み取れないほど、寂しい結果になりました。
Googleトレンドはそのグラフ内の最大値を100として表現しています。そのため、具体的に何件の検索がされたのか、というところまでは分かりません(そこがGoogleトレンドの弱点でもあります)。
ゆえに、このグラフから読み取れるのは、Googleがある一定量のデータとして管理し始めたのが2013年8月くらいからで、その翌年の2014年9月くらいまで1年間近く低迷し続けているということです。
もちろん2013年8月以前や2013年8月~2014年9月まで誰も検索をかけていないわけではなく、検索ボリュームがあまりにも少ないため、データとして現れていないということになります。

次に別のキーワードと比較してみましょう。
よく「生前整理」と間違われる「遺品整理」というキーワードです。

生前整理と遺品整理

下の青のグラフが「生前整理」です……。

まるで巨象と蟻のような様相を呈しています。
下の方で這うようにしているグラフが「生前整理」。2006年の年末くらいから突如伸び始めているのが「遺品整理」です。
「遺品整理」という言葉は、一般社団法人遺品整理士認定協会の資格認定の活動が本格化した2012年くらいから伸び始めていることが分かります。それから1年間くらい続く乱高下は主にメディアの取り上げ方が影響しているようです。
その後、一旦安定して現在に至ります。また、2010年から現在まで続いている「遺品整理」を題材としたTVドラマも、そのキーワードの浸透に貢献しているようです。

さて、今回私がお見せしたかった「生前整理」という言葉の“市民権”ですが、「遺品整理」と比べると現在のところの実態はこの程度です。
これは恐らく当然の結果だと思います。

と言いますのも、あるご家族で「生前整理」がいかにうまく行こうとも、「親の家の片づけ」がいかにスムーズに運ぼうとも、絶対に「遺品整理」はなくならないからです。

ある方が生き抜かれた結果、そこに物が残るのは当然で、その残った物は「遺品」であり、それを何らかの形で「整理」することがなくなることは決してないからです。

だから、この「遺品整理」のグラフが高齢化社会の中で伸びこそすれ、減っていくことはありません。

ただし、「遺品整理」の背景にある遺族の気持ちまではこのグラフで読み取ることはできません。
この「遺品整理」という言葉を検索するのは、ほぼ間違いなく遺族の方でしょう。
パソコンやスマホのGoogle検索で「遺品整理」と打ち込む時の気持ちはどのようなものでしょうか。
悲しみを始めとした心を苦しめている感情が多いのではないでしょうか。

私はこの心を苦しめている感情を少しでも軽減することができるのが、「生前整理」であり、「親の家の片づけ」だと思っています。

「生前整理」と「遺品整理」のグラフが逆転することは、今後も恐らくないでしょう。
しかし、「生前整理」のグラフが「遺品整理」のグラフに近づけば近づくほど、心を苦しめる遺族の方が減ると信じています。

現在は巨象と蟻のようなグラフですが2頭の象くらいになれば、きっと物を残す方も、その残された物を整理するご家族も、「後悔」が減るのではないでしょうか。

最後に「生前整理」と「遺品整理」に「葬儀社」というキーワードを追加したグラフを掲載します。 このグラフから一体何が読み取れるでしょうか。このグラフは現在の日本を表している形なのかもしれません。

生前整理と遺品整理と葬儀社

「遺品整理」も「葬儀社」もご遺族が検索をかけるキーワードだと思います。

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