Pocket

デジタル終活、なんて言うとただの終活と比べて未来的・先進的な印象があると思います。

ですが、実は泥臭くて生活臭がし、アナログなことでカバーしていく、そんな活動になるのがデジタル終活の実態となるでしょう。

 

さて、パソコンという箱は非常に個人に特化させて利用しやすく(自分しかわからないフォルダの存在やパソコン起動時のパスワード設定など)、なんでも放り込めますし(文書ファイル、表計算ファイル、画像ファイルなどなど)、さらにインターネットにつなげば、匿名でも実名でもハンドルネームでも世界にデビューできるという代物なわけです。

ということは、どういうことが言えるのかというと、ご自分の恥ずかしいものを入れ込むにはもってこいの“箱”というわけです。

パスワードをかけておきさえすれば、秘密にしておきたいことも比較的安全に守ることが可能ということです。

 

それでは、そんなパソコンを相手にしたデジタル終活で、まず最初に行うべきことは何になってくるのでしょうか。

それは、ご自分の「恥・羞恥心・タブーへの対処」を“いの一番”に行うことです

その他のことはその後で十分です。

まずは、秘密のフォルダや画像ファイル、動画ファイル、webサイトの閲覧履歴などを整理し、削除するべきです。

 

他にたくさんやるべきことがあるだろうところに、どうしてこの「恥・羞恥心・タブーへの対処」を最初にやらなくてはいけなのでしょうか。

 

大前提のことなのですが、「終活」で考えるべきなのは、ご自分とご家族のことです。

私は「生前整理」でも「親の家の片づけ」でも、その活動の主役はご本人とご家族双方である、という考えでいます。

そして、ご家族はそれぞれの方が、それぞれの思い出などで「その方の像」をつくっていらっしゃると思います。

例えば、私の父については、私が想う父、母が想う父、妹が想う父、私の妻が想う父、それぞれが違った思い出で「父の像」をつくっています。

恐らく父の“その時”が来た後も、その「父の像」はそれぞれが大切な思い出として心にしまっていくものになることでしょう。

 

……が!ですが!

そんな時に、パソコンという秘密の箱から、その像のイメージとかけ離れたものが出てきたら……。

大切な思い出の中の「像」は、簡単に崩れ去るか、別の「像」に差し替えられてしまいます。

笑い話で終わるレベルでしたら、「あぁ、こんな一面もあったんだねえ笑」で話に花が咲くかもしれませんが、どなたも突っ込むことのできないレベルのものが出てきてしまったら、その秘密の箱を開けてしまったことや見てしまったこと、そしてそんなものを削除していってくれなかったことを、残された方々が恨んだり悔やんだりすることになるのではないでしょうか。

 

優しかったお母様が、実は恨み節で綴った日記をwordで保管していたら……。

厳格なお父様が、“そういったジャンル”の動画ファイルや画像ファイルを溜めていたら……。

アイドルグループのwebサイトばかり閲覧していたら……。

 

ということで、確かにご自分の「恥・羞恥心・タブーへの対処」ではあるのですが、その他のご家族が大切にしているご自分の像=イメージのためにも、いの一番に行うべきだ、というわけです。

「パスワードをかけているから、もしもの時にはどのみち見られなくなるから安心」と思っていたとしても、ひょんなことからパソコンが解析にかけられる可能性もありますので、データは削除するほうがいいです。
(まったく故人の趣味などの詮索のためではなく、パソコン内のその他のデータ、例えばご葬儀のための名簿ファイルなどが必要だったから、など)

ちなみに、パソコン内のデータはデータ復元ソフトがあれば、例え削除したものであったとしても、高確率で復元可能です。

さすがに残されたご家族がデータ復元ソフトを利用して、わざわざ解析することはないと思いますが、もしそういったことも心配でしっかりとデータを消しておきたいということであれば、データ消去ソフトも市販されていますので、利用するのも一手段です。

データ消去ソフトには「ハードディスク(パソコンの記録を司っている部分)を丸ごと消してしまうもの」と、「特定のフォルダやweb閲覧履歴など任意のデータを削除してくれるもの」があります。

もし現在のパソコンを「デジタル終活」後も使い続けるということであれば、後者の「特定のデータを消去できるもの」を選んだ方がいいでしょう。

 

ということで、今回の「デジタル終活」のまとめです。

パソコンという秘密の箱の中にある自分の「恥・羞恥心・タブー」をまずは削除!

ご自分が見られて恥ずかしいというよりも、それらが他のご家族に与えるダメージを考えてみてください!

そして、もう一つ!

もうこれからのデジタルライフではそのようなファイルやデータを決して溜めこまないようなスタイルに変えてみてください。

 

あ、そういえば、パソコンで良くやりがちなことですが、昨今のものは大変記憶容量が大きいため、自分でも保管したことを忘れてしまっているファイルが奥底に眠っていることもあります。

どうぞ「恥・羞恥心・タブー」の削除は念入りに行ってください。

[table id=11 /]

Pocket