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今回は「親の家の片づけ」というプロジェクトのステークホルダー(利害関係者)の相関を棚卸しする方法をご紹介します。

家族関係の棚卸し

ステークホルダーと言っても、それは「親の家の片づけ」ですから、登場する人物は主に家族になります。

成人してそれぞれが独立した家族は、かつて一緒に食卓を囲んでいた時期には、予想もつかないような関係になっていることがあります(我が家もそうでした……)。

すでに生活が別になっていますので、独りよがりに陥らないように、そこは丁寧なケアが必要です。
(それについては、第8回でご紹介した「リスク分析」で詳しくご紹介しました。)

 

離れて暮らして数十年(何分の1世紀?!)も経つと、家族のそれぞれが持つ生活、さらには感情までも、さまざまな形で錯綜する状態になりがちです。
そこで、その状態を一旦俯瞰で見つめ直すために、情報を整理する必要があります。
関係性を整理する方法は、よくドラマや映画で描かれる登場人物相関図でもいいのですが、少し表現が難しいかもしれません。
今回は簡単に表を使って表現する方法をご紹介します。

表1をご覧ください。
表は星取表のように、行の見出しと列の見出しに同じ順番で家族を書き表していきます。
ここでは、仮に両親と兄弟2人、自分と妻といった例にします。
ここでの注意点は、「親の家の片づけ」に関わる方々を漏れなく書き出すことです。
自分が主導で行うから、兄弟は抜いてもいい、ということにはなりません。

家族の相関表1

次にその表に関係性を表す記号を入れていきます。

今回は便宜的に以下のようにしてみます。

◎:日常的に連絡を取っている(良好な関係)

○:定期的に連絡を取っている(好い関係)

△:必要な時に連絡を取っている(一般的な関係)

×:日常的に連絡を取っていない(不仲 or 無関心)

表2がその結果になります。

家族の相関表2

 

記号を入れてみたら、自分の行に×がないか確認します(表3参照)。
この×がついた方との関係は、「親の家の片づけ」の初期の段階に対処すべき点になります。

家族の相関表3

 

もちろんこの×が、ただの「無関心」な状態であれば、さっそく電話して「親の家の片づけ」について理解をしてもらう、ということもできるかもしれません。
ただ、不仲からくるものでしたら、事態はそれほど容易ではないはずです。
その場合、×の状態を自分からの働きかけなどの努力で解消するのもいいですが、家族の他の方からの力を借りるというのも一つの方法です。

例えばこのようなやり方があります。表4をご覧ください。

家族の相関表4

 

自分の行と兄の行でどちらにも○以上がついている方を確認します。
この例の場合は、お父様です。
お父様であれば、自分と定期的に連絡を取り合い、かつお兄様とは日常的に連絡を取り合っている仲なのが分かります。

そこで、表5になります。
×の状態に対して、お父様からの何らかの働きかけをお願いするのです。

家族の相関表5

もちろんこのことをお父様にお願いする場合は、お父様が「親の家の片づけ」についてよく理解してもらっていることが必須になります。

家族の関係を見える状態にして、整理する

以上の例示は非常に単純なモデルになりますので、現実にはそう簡単にいかない部分があるかもしれません。

ですが、今回ご紹介したい重要なポイントは、頭や心の中にだけしまっている家族の関係をいったん外に吐き出し、見える状態にする点にあります。
悶々と家族関係に悩み、「親の家の片づけ」に着手できない状態を脱するためのひとつの方法です。

ちなみに、「親の家の片づけ」を行うことにより、家族の相関表の×印が一つでも解消できたら、それはそれでいいことだとは思いませんか。

さて、今回の例示では家族の方のどなたかの手助けを借りて、「親の家の片づけ」の片付けに着手するやり方をご紹介しましたが、次回は第三者(家族の方以外)の力を借りてプロジェクトを進めるやり方をご紹介します。

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