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業務のタイムトライアル化は「育児と仕事の関係」の本質を捉えていない

前回前々回と育児中のタイムトライアル業務について、ご紹介してきました。
emailの捌き方などは、結局どれだけ早く退社するか、といった点について有効なわけですが、正直それは「育児と仕事の関係」で本質的、根本的な解決のための行動ではありません。

日本の企業は育児中のお父さん、お母さんにとって、決して働き良いものではありません。
とは言っても、メディアなどで育児中のお父さん、お母さんのための新しい職場環境を構築した企業の話や、新しい働き方の提案などが取り上げられているので、次第に日本は変わりつつあるとの思いを持たれている方もいるかもしれません。
でも、それはあくまでも特別な例、マイノリティであるがために取材や報道の対象になっているにすぎないのです。

であれば、育児中の身として、本来だったらもっと社会・政策や企業・経営などに対して声を発していかねばならないのかもしれません。

でも企業で働く一人の人間として生き抜く必要がある

しかし!です。
社会や企業に対していろいろと物申したいことが頭の中を渦巻いたとしても、まずは家族の中のパパとして、ママとして今いる企業で「生き残る」必要があるのです。
「生き残り」は決して大げさな言葉ではありません。
育児中のビジネスパーソンは、あらぬ言葉を浴びせかけられることも多々あります(私の経験上、それは9割ほどが上司からでしたが……)。
ということで、私は自分の「生き残り」のために、今回ご紹介する「厚顔無恥作戦」を編み出しました。
要するに自分のマインドセットを図太くして、職場の雰囲気を自分にいいように変える方法です。

 

だれにでも、どの組織にでも通用する作戦ではない

まず、この作戦はどの組織にでも通用する方法ではありません。
素敵な尊敬すべき上司がいらっしゃる方、理解のある同僚の方の多い職場では、お門違いも甚だしい作戦です。
そして、職場環境を変えてしまうような方法なので、どうかまずは参考程度にお読みいただければと思います。

ちなみに、この作戦に向いている方は、ご自身とご家族のために働いている方です。

そして、ちょっとズルいこともできるかなあ、という遊びのある方。

育児中でも卑屈にならない厚顔な作戦

厚顔無恥作戦は、自分を演出して、職場での立ち位置を築くという、図太い厚顔な人のために適している作戦です。
その概要は、以下のとおりです。

  1. 育児中フラグを立てまくる
  2. 仕事はキッチリ、社内ルールは遵法精神
  3. 上司には無抵抗・不服従

 

育児中フラグを立てまくる

まず、「育児中」、男性なら「イクメン(この言葉ははっきり言って嫌いですが……)」のフラグは、相当使えます。
ちょうど私の育児が始まったのは、大阪の首長が育児休暇に言及したり、イクメンと言いう言葉が出てきたりと、「育児と仕事」について結構盛り上がっている時期でした。

ということで、時流に乗ったように育児の話を職場で展開しました。
つまり、「自分は育児中ですよ」ということを自分のセクションの誰でも分かる状況に仕立て上げたのです。
ホントに面倒臭いくらいにこのフラグを立てまくりました。
周りは次第に育児中で頑張っているお父さんキャラを私に付与してくれるようになります。
同じような立場の同僚は、応援してくれる場合さえありました。

ここまでが第1段階です。

 

仕事はキッチリ、社内ルールは遵法精神

次に自分の周りにあるルール(社内規則や業務職掌・担当など)をとにかく把握して、そのとおりに行動しました。
嘘みたいにそのルールに従って、自分の持ち分の仕事はキッチリとこなすのです(email打ち返し作戦もその中の一つです)。
つまりどこからも突っ込みを入れられないような状況を作り出しました。

これで第2段階終了。

 

上司には無抵抗・不服従―マネジメントができていれば無茶振りなんて発生しない―

3段階目は、時に業務の無茶振りをする上司に対して、感情を込めない目をしながら「はい、了解しました」とロボット的に答えることから始まります。
ここで重要なのは、不平や不満を言わないこと
この時点では第2段階まで出していた育児中フラグは一旦ひっこめます。

会社組織と言うヒエラルキーの中では、上司命令は不本意でも飲まざるを得ないことが多いです。
そういう形で会社組織は回っています。

ここで不平や不満を持っても、ただ保育園のお迎え時間が遅れるだけです。
はっきり言って時間の無駄です。
なので、上司からの無茶ぶりに対しては怒らず、しかし、へつらわないで感情を殺した目でロボット対応をします。

そして、その無茶振りした上司以外には、明るい笑顔でハツラツとした育児中の頑張る姿を見せ続けるのです。

すると、どうなるのか。
上司は、自分とその他の社員を見て、上司である自分とチームが分断しているような錯覚を感じてきます。
なんだか、育児中のお父さんを応援しているその他と、その育児中のお父さんに無理を言っている自分、といった何とも座り心地の悪いような気分になってくるのです。
その感覚を上司に覚えさせればこっちのものです。
部下よりも保身が重要な上司であればあるほど、以後は無茶ぶりが怖くてできなくなるようになります。

だいたいそもそもちゃんとしたマネジメントができていれば、無茶振りなんて事態は発生しません!
突発的な業務があったとしても、しっかりとした絵を描いてからチーム内で共有して、育児中の部下に役割を指示すればいいだけです。そして、それは無茶振りとは言いません。

これで、この「厚顔無恥作戦」はだいたいの完了を見せます。

後は、退社時刻に大手を振って(はいませんでしたが)、保育園に迎えに行くことができる環境を築きあげることができるのです。

我ながら、本当にズルい作戦です。まさに恥知らず……。

改めてですが、人にお奨めしていいものではないことは重々承知しておりますので、どうぞご参考程度に留めていただければ幸いです。

次回は、私の今回のようなズルさが、さらにエスカレートした「時間貯蓄作戦」をご紹介します。

 

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